ARM Macのラインナップ考察。

業界を震撼させるような創造性が突如として生まれることで知られるAppleですが、ほとんどの場合、かなり保守的な会社です。Appleに限らず製造メーカーは数年に及ぶ製品の開発期間ががあり、例えばファンが2020年のiPhoneを期待し始めている一方で、ハードウェアエンジニアは2021年モデルの開発を終え、コンポーネントデザイナーは2020年代半ばに向けてのデバイスのチップやセンサーの検討を行っています。
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一部の有力な報道によると、Appleは2021年に、IntelプロセッサからiPhoneやiPadに搭載されている独自のARMチップへの移行により、Macの製品ラインを大幅に変えることになるようです。Mac製品のデザインは、利用可能なIntelプロセッサの種類によって制約を受けることが多かった10年半を経て、Appleは、Intelに依存する事なくMac製品ラインを構築するチャンスを得たのです。
独自のARMチップのMacの登場は今後5年以上の期間でMacの製品に大きな影響を与えると言っても過言ではありません。

iMacの快適さ

Appleが2021年に、Macを駆動するプロセッサを変更するからといって、使い慣れたMacモデルが一掃されるとは思えません。Appleが設計したプロセッサへの移行は、一般の人々は気付きはしないはずです。
AppleがPowerPCからIntelのCPUに移行した時は、最初のモデルはiMacでした。新しいIntel iMacは、それまでのG5 iMacとは概ね同じように見えました。チップの移行が進行中であることを知らなかった人は、気付かなかったかもしれないです。AppleがiMacのケースをホワイトプラスチックからシルバーアルミニウムに変更し、真に再設計するのに3年はかかりました。
同じように、現在のiMacも内側と外側の両方を変える絶好の機会なのではないかもしれません。最初は現在のモデルと同じケースのARM iMacが登場する可能性もありますが、そこから変わっていくかもしれません。しかし、象徴的なモデルであるiMacはARMに移行しても継続していくと信じています。iMacは20年以上もの間、Macの中核を担ってきました。

プロフェッショナルクラスMac ハイエンドのMac製品ラインは、Appleの新しいチップが最も手を出しにくい場所になるかもしれません。従来の常識では、Appleはコンシューマ向けの技術で移行を開始し、後にプロ向けのモデルにのみ普及するとされています。少なくとも新しいMacの最初のARM CPUの波に、Intelとの互換性と安定性を保ちつつ、Appleの最も要求の厳しいプロの顧客が利用できるようにすることは、難しいと思います。 iMac Proは少し更新が滞りを感じてきましたので、速度の向上は必要かもしれませんが、再考の余地はありません。Mac Proは発売されたばかりですが、長い間使えるように作られているようです。これらのモデルがすぐにARMに飛びつくとは思えません。私はMac miniもこのカテゴリに入れてもいいと思います。小さくてパワフルで安価なMac miniのリモデルを見てみたいと思う一方で、2018年版のMac miniは数年先まで販売されるのではないかと思います。。 MacBookはどうなる

IntelのCPUから移行した後に、ラップトップのラインナップは再構成するでしょう。既に13インチクラスのラップトップが3台あるので、よりシンプルにできる機会です。
コンシューマー側では、MacBookまたはMacBook Airの2つの新しい形の可能性があります。小さめの12インチモデルは古いMacBookの形をしているが、ARM CPUを用いればファンがなくても十分に動作するようになります。大きめのモデル、おそらく現在販売中の13インチAirのARMバージョンでは、より堅牢な冷却とよりベゼルを小さくした少し大きなスクリーンを提供できそうです。
現在AppleのiPhoneラインのA13 Bionicチップは、6つのプロセッサコアを持っています。電力のために最適化された2つのコアと、エネルギー効率のために最適化された4つのコアです。同じような構成のARMチップで、Macのラップトップの構成が可能でしょう。Appleが内蔵しているGPUも忘れてはいけません。低エネルギー動作時には、これらのチップは電力を消費してバッテリーの寿命を維持しますが、必要に応じて2つの「パフォーマンスコア」をパワーアップさせることができます。これらのARMノートパソコンが現行のMacBook Airよりも速く、劇的にバッテリー駆動時間が向上しないとは考えにくいですね。
そしてMacBook Proです。Appleのプロ用デスクトップと同様に、Appleのプロ用ラップトップはコンシューマモデルほどARM CPUが早くは搭載はされないのではないでしょうか。次世代のAシリーズチップを搭載した新しい16インチモデルが登場しそうですが、少し時間がかかりそうです。iPhoneが6コアのプロセッサを搭載できるなら、MacBook Proが4コア、あるいは6コアのパフォーマンスコアを搭載して、4コア、あるいは6コアの効率コアを搭載が濃厚でしょうか。
AppleはMacのプロセッサを移行するたびに、製品ラインの一部の名前を変更する機会を得てきました。PowerPCの移行では、Quadraに代わってPower Macintoshが登場しました。Intelの移行では、Power MacはすべてMac Proに、PowerBookとiBookはMacBookに変名されました。
ということで、2021年はMacBook AirとMacBook Proのブランド名を引退させて、もっとシンプルなものに置き換える絶好のタイミングなのではないかと思います。MacBookとPowerBookはどうでしょうか?(iPadOS搭載のラップトップ用が出て来たらiBookと命名しましょう)。
歴史的にはチップの移行というのは面白いものです。それはAppleにとっては棚卸しをして方向性を変えるチャンスなのです。

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