シンプルなデジタルカメラを夢見て。

究極にシンプルなデジタルカメラについて考えてみました。歳のせいかもしれませんが、最近のデジタルカメラのメニューやら見ると少し手に余ることもあります。

これまでのデジタルカメラ機器を通して考えると、職人のようなフィルムカメラのようにシンプルで簡単なデジタルカメラへの欲求が完全に消えていないと思います。ただし、カメラメーカー的には魅力のない提案という事もわかっています。

私がフィルムカメラを未だに使っている理由としては、デジタルカメラでは得られない、純粋な(と勝手に思っている)カメラの操作を欲しているからです。シンプルなフィルムカメラのようなシンプルで高品質のデジタルカメラを作るメーカーはいません。現在のビジネスモデルのマーケティングニーズや商業的要件、または現在の文化の慣習に適合していません。
それでは、本当にシンプルなデジタルカメラは実際にどのようなデザインで、どのように機能するのか、考えてみました。
例えばですが、
理想的にはサイズと重量が理想的なフルサイズ一眼レフを考えます。マニュアルフォーカスレンズが必要になりますが、そのうち5つは例えば21mm、28mm、40mm、85mm、100〜200mm F/4のズームだとします。すりガラスに焦点を合わせることができ、ビューファインダーには、カメラを向けているもの以外には何も映りません。ビューファインダーは大きく鮮明で、視野率が96%以上です。測光パターンは2つしかありません。平均とスポットです。スポットはフォーカスインジケータの長方形に対応し、シャッターリリース近くのオン/オフボタンと連動します。
撮影コントロールは、シャッターリリース、フルストップおよびハーフストップで戻り止めされたレンズの絞りリング、「A」設定のフルストップおよびハーフストップのカメラのシャッタースピードダイヤル、フルで6つのISOのみのISOダイヤルです。ストップ(100、200、400、800、1600、および3200)、および露出補正ダイヤル(フルストップおよびハーフストップでも)。仕組み:シャッタースピードを「A」に設定すると、絞り優先モードになります(カメラは中間シャッタースピードを選択します)。絞りとシャッター速度の両方を選択した値に設定すると、手動モードになります。
カメラの他のコントロールは、被写界深度プレビューボタン、レンズリリースボタン、露出残りカウンターとバッテリー充電レベルインジケーターを備えた小さなLCDです。カードスロットは1つだけです。表示画面はありません。フラッシュもフラッシュの調整もありません。RAWのみを記録し、JPEGは記録しません。
メニューはありません(ひとつくらいは許しましょうか)。ビデオも、AFパターンも、Wi-Fiも、GPSも、連射モードも、フィルムシミュレーションもありません。
各ファイルは、そのシャッター作動の数だけでマーキングされたカ番号です。カメラは静かですが、接眼レンズの後ろに頭を置いている人には聞こえます。しかし、ビルドクォリティに優れ、センサー性能と画像品質は高いです。
非常に簡単なデジタルカメラです。
あらゆる人や目的のためのカメラの代わりに、カメラマンが気を散らすことなく被写体と向き合えるカメラです。そのため、カメラマンは常にすべてのパラメーターを完全に制御できます。また、カメラを手に取るたびに、カメラのすべてのコントロールを完全に習得することができます。
ただし、そのようなデジタルカメラが手頃な価格で販売されるかと言えば、あり得ないことでしょう。
2つの問題が考えられます。
まず、昨今のカメラデザインは全てを網羅する何でもできるカメラですので、それに真っ向から反しています。技術的には作れても、そんな企画をOKする役員がいるとは思えません。設計に関しても、マーケティング的にも例がない製品です。企画は通らないでしょう。カメラメーカーは機能満載のカメラこそ売れるというデータを持っているのです。
例えば、Nikon Dƒ。シンプルなレトロカメラを作るというニコンの試みでしたが、レトロの部分に比重があるもののシンプルさはそれ程ではありませんでした。
Nikon Dƒは、デジタルなNikon FM3aにも思えました。
少なくとも現在のレンズ交換式デジタルカメラを考える限り、シンプルなカメラは出て来ないと思います。往年のフィルムカメラのライカM4やM6、オリンパスOM-1やOM-3、ペンタックスMXやLX、またはニコンFM3aに通ずるデジタルカメラ、欲しいなぁ。

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