2019年のカメラ市場を予測します。

カメラやレンズについて妄想することが好きです。

2019年の傾向はどのようになるのか予想したいです。

フルサイズ機とフルサイズミラーレス機
フルサイズ機への宣伝や人々の熱意が冷める事はないでしょう。NikonとCanonはSony A7を参考に、フラグシップモデルのZ7/Z6とEOS Rの廉価版をリメイクするのではないでしょうか。かつてのCanon EOS 6DやNikon D610のミラーレス機版といったところでしょうか。マーケティング的には10万円以下の新規製品として売り出せば性能的にはワンランク落ちてても新鮮味はあるかもしれません。同時に既存品のフルサイズ機を売り続けて、今までのEFマウントレンズとFマウントレンズが売れ続けるように仕向けるでしょうか。伝統主義者やコストに敏感な方々に売れると思います。とは言え、新規の『ミラー有り用レンズ』の開発は鈍り、新しいミラーレス用のレンズの開発や発表が相次ぐような気がします。
Canon、NikonとSonyがそれぞれ微妙に異なるフルサイズミラーレス機を販売するでしょうか。2400万画素辺りのカメラが少しづつ安価になっていくと思います。2019年中に起こるかわかりませんが、2400万画素クラスのフルサイズ機が2600万画素クラスのAPS-C機と僅かな価格差となった時が変曲点かもしれません。
Nikonは新しいプロフェッショナル仕様のミラーレス機を発表するのではないでしょうか。更なる堅牢性と耐久性を備え、バッテリーグリップもしくは大きなバッテリーを備えたモデルです。2020年の東京オリンピックが控えている事を忘れてはいけません。スポーツフォトグラフィーの頂点に近い位置のイベントですからね。そのために焦点距離が長くかつ明るい(そして大きい)レンズが増え続ける事でしょう。カメラとしてはメカ部分が簡略されたミラーレス機群ですが、システムの変更になびく方々戦略的なマーケティングで少しプレミアムな価格での販売になる事でしょう。そしてインフレーションの関係もあるのでそのまま少し高い価格での販売が続くと思われます。ボディのみで80万円くらいでしょうか。
そして当然ながらCanonも同様のオリンピックモデルを発売する事でしょう。ひょっとしたらCanonは一眼レフの最新プロ機を同じ時期であるオリンピックのために発売するかもしれません。ミラーが動くモデルですので、既存のレンズをアダプター無しで使えるカメラです。既存のシステムでのワークフローやレンズが確立されているフォトグラファーには大きな変化はワークフローの妨げになるかもしれません。一眼レフ&ミラーレスのワン・ツーパンチ戦略を予測します。でもいずれはミラーレス機一辺倒となるハズなので、2019年が最後の一眼レフミラー有りEOSかもしれません。
続いてCanonのマスマーケット用のミラーレスAPS-Cカメラが発売されると思います。EOS Kissや7D、60Dと似たスタイリングと位置付けです。CanonはNikonと異なりAPS-C用のレンズが定期的に販売されており、そのままミラーレス用のレンズを即開発できると思います。APS-Cを小さいセンサーの廉価版カメラと侮ってはいけません。技術的にはAPS-Cはフルサイズに及びませんが、販売戦略的にはAPS-Cを買う方々がいずれフルサイズにアップグレードする可能性を考えると、そのAPS-C畑を耕す事には大きな意義があります。
ところで、ミラーレスカメラが標準となったらそれを『カメラ』と呼び、一眼レフは『ウィズミラーカメラ』とか『ミラー有りカメラ』とか呼ばれるのでしょうか。私が『ミラーレスカメラ』という名称に否定的だったのは、今までのカメラ(ミラーのある一眼レフ)を基準としてネーミングだったからです。世の中にミラーのある一眼レフカメラを知る人がいなくなった時、『ミラーレスカメラ』というのは果たして意味があるのでしょうか?

通常、カメラは備わっている機能で名付けられています。一眼レフカメラはレンズを通した像が見えるから「一眼」レフです。鏡が付いていて像を反射させるから一眼「レフ」です。レンジファインダーカメラはレンジ(距離)を測距するファインダーが備わっているのでレンジファインダーカメラです。フォールディングカメラは折り畳めるから「フォールディング」カメラです。そう考えると「ミラー無しカメラ」、とは少し違和感があります。写ルンですもミラーレスですね。
ミラーボックスを排除したからミラー「レス」カメラなのだ、「ミラー必要無いカメラ」なのだ、という意見は論理は通っているかもしれませんが、後ろ向きな定義なことには間違いありません。電気自動車をガソリンレス自動車と呼ばないのと同じです。デジタルカメラをフィルムレスカメラと呼ばないのと同じです。せめて「ミラーフリー一眼カメラ」ならまだ理解可能ですが。

電気自動車をガソリンレス自動車と呼んだら違和感どころでは済みません。SSDが『ソリッドステートディスク』と、ディスク(円盤)の欠片もないにも関わらず『フロッピーディスク』や『コンパクトディスク』や『ハードディスクドライブ』と同様のネーミングにも違和感があるのは私だけでしょうか。
ソニー
ソニーはフルサイズミラーレスマーケットでは一日の長があり、迫るNikonとCanonの追従に対して注力するために、ますますAPS-Cのα6500系やα77系と、一眼レフのα99系に割くリソースが減ると思います。SonyのHPを見るとA7だけでもα7 III、α7 II、α7R III、α7R II、α7S IIまであり、α9もあります。最初期のα7(I)、α7R(I)、α7S(I)もあります。フルサイズミラーレス機とその他のカメラシステムの力の入れようが違います。特に最初期のα7(I)、α7R(I)、α7S(I)はまだまだ2400万画素と十分な性能ですので、フルサイズワールドへのエントリーモデルとして選ぶ人は少なくないのではないでしょうか。富士フイルムのようなファームウェアアップデート戦略をα7(I)/α7R(I)/α7S(I)に施し、色使いやAF速度やHDR処理等を最新機種に近付ける事ができれば、エントリーモデルもしくは安価モデルとして不動の地位を得られるのではないでしょうか。
静止画機能はカメラ機として一部でしかなく、動画機能も重要視されている中、動画向けのα7S IIの後継機が発売されればいいと思います。α7『S』と呼ばれるかどうかわかりませんが、3200万画素の動画特化機があれば8K動画機となるわけで、ファースト・トゥ・マーケットを確立できる訳です。また、ソニーの有利な点はセンサー技術でしょうか。動画出力に適したセンサーをA7モデル用に作れるのではないでしょうか。
富士フイルム
富士フイルムのカメラはX-T3をベースにアップデートするのではないでしょうか。X-Pro3、センサーが同じ仕様のX-E4、X-Pro系列は光学ファインダーを使うのでしょうね。X-100Fの後継機、X-100C(5=cinq)も待ち遠しいです。
X-T3がどんどん動画出力が良くなって来たので、X-H1にもその動画機能をアップデートするかもしれません。X-H1は手ぶれ補正があるので、動画撮影にもってこいです。終日の動画撮影を可能にするためにバッテリーが大きくなりますが、X-H1は元々大きめなのでバッテリーグリップと共にバッテリーライフの長い動画撮影機種とかは面白いのではないでしょうか。
XFレンズに関してはロードマップがあるので予想ではないのですが、16-80mm F4のレンズがありますね。ほぼほぼPanasonic Leicaの12-60mmと同じ仕様です。コンパクト気味ならば汎用性の高いズームレンズではないでしょうか。
中判レンズのロードマップでは50mm F3.5のパンケーキレンズ、100-200mm F5.6の望遠ズームレンズが見受けられます。もっと広角側のレンズが補充されていくでしょう。25mm、35mm辺りですかね。
パナソニック
パナソニックですが、2400万画素のS1ですが、ボーナスのちょっと前の発売になるでしょうか?動画撮影に関しては随一かもしれません。ボディデザインがG9を踏襲しているのならとても良いと思います。EVFについても期待が高まります。私は大きいEVFが好きです。フルサイズでのIBIS手ぶれ補正も高いでしょうか。
ある意味で、サイズ対比で考えれば2400万画素のフルサイズとはGH5Sよりも少し大きいセンサー密度で、同じく動画に特化しているかもしれません。
後はレンズの補充ですね。最初は3本のレンズですが、SIMGAやLEICA(高いけど)のレンズも使えますので。
マイクロフォーサーズでは10-25mm F1.7レンズがありそうですが、ボディのアップデートはないかもしれません。GH6には早すぎますし、G10もまだまだないでしょう。どちらも早々にアップデートしては現行モデルと大差ないものとなり得るので、じっくり開発して欲しいと思います。
ところで、パナソニックの技術力だったら、A.I.とかの技術の導入もできるのではないでしょうか。従来のカメラでA.I.がふんだんに使われているのを私は知りません。スマートフォンにできてデジタルカメラにできないことではないと思います。スマートフォンのようにボケコントロールやスマートHDRをやるには、マイクロフォーサーズのサイズのセンサーの方が大きいセンサーよりもやりやすいです。
NikonとOlympusと違い、Panasonicは親会社がお金をたくさん持っています。他の部署とのバランスを取って赤字を吸収できたりするのです。これでより長い目で商品開発を追う事ができ、じっくり構えることができます。最近のパナソニックのカメラはよく考え抜かれた商品群が多いと思います。
10-25mm F1.7ズームと50-100mmのズームで多くのシーンが賄えるのでは?45mmマクロを追加すればそれだけで日常の全てが撮れそうです。
オリンパス
オリンパスは2019年は何かしてくるでしょうね。E-M1mkIIIあたりでしょうか。遂に動画に特化したモデルでしょうか。とにかくオリンパスは手ぶれ補正に関して他のメーカーよりも進んでおり、そこに更なる進化があるかもしれません。E-M1系列の後継モデルなのか、富士フィルムのX-H1のように新しいコンセプトのカメラになるか。X-H1はモジュラーカメラというかシステムカメラなのでフルに性能を出すにはアクセサリーをたくさん揃えなくてはいけませんが、Olympusもそういうカメラのコンセプトを出すのでしょうか。
しかし、オリンパスのシステムを揃える意義はレンズにあります。素晴らしいProレンズが揃っています。そろそろ新しいProレンズがあってもいいのではないかと思いますが、明るいズームなんかはいかがでしょうか。
ペンタックス
ペンタックスはちょっと未来が見えないですね。APS-Cで何がしたいのか、フルサイズや中判まで手を出してしまい、注意が分散しているように見えます。中判に注力したらいいと思ったりするのですが・・・。
ただ、ペンタックスのレンズは大好きです。
その他
後はハッセルブラッドとLeicaでしょうか。
どうも中判カメラの市場が見えてきません。どうしても高解像度の写真が必要な仕事があるとも思うのですが、ウェブメディアでは不要のような気がして、プリントメディアとか壁を覆うくらいのポスターとかの用途でしょうか。例えば博物館の展示物やアートで正確な色再現と被写体を忠実に写す画像が必要な仕事があると思います。そういった作業には1億画素が必要かもしれません。そういう意味では、HasselbladやPhase Oneの営業活動はマスマーケットではなく、そういった特殊用途の方々へ注力している事でしょう。つくづく、私みたいな趣味人には中判デジタルカメラは過ぎたおもちゃにかならないようです。
それでもGFXシリーズは目移りしてしまうんですよね。
Leicaのレンズは凄いですね。メカ的な機能を追加するよりも、光学設計技術と組み立て精度を高めて非常に高い光学性能を出しています。Mシリーズのレンジファインダーカメラも大好きです。でも今の時代にLeicaに踏み込むのは価格的になかなかハードルが高いです。M10が90万円、SLが80万円。Mレンズは50mmではSummicronが30万円、Summiluxが50万円、Apo-Summicronが100万円、Noctiluxが130万円です。SLの単焦点レンズは60万円クラスで、ズームも70万円です。宝くじでも当たらない限り私にはシステムは揃えられそうにありません。昔はルポルタージュやプロの仕事で活躍していたLeicaですが、今はファッションとなっているように感じます。
お金があれば何でも買えるのですがね。普通の範疇では予算がありますよね。中判デジタルはそれ程シェアは伸びず、マイクロフォーサーズ、APS-C、そしてフルサイズのどれを使うかはそれぞれ理由が違うでしょう。でもLeicaとかと決定的に違うのは、それぞれのフォーマットでは破産せずによい結果が得られる事だと思います。
カメラ・写真・動画のマーケット
クリスマス商戦の後という事もあり、世界的に株価が下がっているのでカメラやレンズのセールスも鈍るのではないでしょうか。経済的に苦しい会社は商品のリリース遅れや開発中止もあり得そうです。そうなるとカメラメーカーは既存の商品のプッシュをするでしょう。そうなるとNikonはFマウントレンズが如何にZシリーズのカメラに容易に使えるか、といった趣旨のマーケティングを実施するでしょうか。FujiFilm、Canon、Sonyも既存の商品でシェアを伸ばそうとするでしょうか。そのためにところどころ価格が落ちるカメラもあるのではないでしょうか。例えば、PanasonicのG9の価格推移とかがそのような傾向です。これで既存ユーザーのアップグレードや、新規のユーザーへのセールスを促せる事でしょう。
携帯電話(もとい、スマートフォン)の静止画画質と動画画質がどんどん向上しているため(iPhone XS等)、コンシューマー向けのコンパクトカメラがどんどん売れなくなると思います。特に動画となるとYouTube投稿が多いため、画質面ではスマートフォンで十分です。そうなると能力ある人間はどんどん動画編集に回されて実際の撮影は簡略化していくのでしょうか。YouTube動画にどこまでプロフェッショナルな機材が必要なのか知りませんが、動画編集に関してはマシンラーニングで賄う事は難しく、まだまだ人間の判断やセンスが必要なところだと思います。
静止画についても似たような傾向になると思います。カメラの性能はどんどん上がっていますが、こと『撮影する』という点において大きな進化はしません。AFスピードや手ぶれ補正、そういった機能が良くなりますがセールスへのインパクトは小さいです。撮影のローエンドな仕事が減ってしまい、ハイエンドな撮影や技能の高い方々のビジネスが伸びる傾向ではないでしょうか。
カメラの機能としては、『4K動画』の方が『撮影可能なフレーム/秒数』よりも機能として必要になるかもしれません。また、『カメラ内HDR処理』、『多焦点合成』、『瞳認識機能』の方が『4500万画素』のカメラよりも重宝されるかもしれません。プリントメディア数の減衰とウェブメディア数の上昇に伴い、シフトが起こっており、そのウェブメディアにしても半分以上がスマートフォンでのアクセスとの事です。
国内のカメラのマーケットは縮小中かもしれませんが、スマートフォンの利便性には敵いません。今カメラが必要な人々にカメラが売れる事でカメラ会社が技術革新を続ける必要があります。最終的には世界の中級層が増えてカメラを買う人口が増えてくれれば、おのずとカメラマーケットが大きくなるのでカメラメーカーも儲かるといいのですが。先進国目線で見るとカメラを使う人が少なくなるかもしれませんが、新興国に目線を向けるとひょっとすると活路があるのかもしれません。

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